
コラム|お金をかけずに資格を目指す
職業訓練(ハロートレーニング)で、無料で現場の国家資格を目指す
公開・データの確認日:2026年10月20日/文:手に職ガイド編集部
結論:受講料は原則無料。条件しだいで、お金を受けながら学べます
- 国の職業訓練(ハロートレーニング)は、受講料が原則無料です。テキスト代などは自己負担です。
- 雇用保険を受けている人は基本手当+受講手当・通所手当、受けられない人は条件を満たせば月10万円の職業訓練受講給付金を受けながら通えます。
- ポリテクセンターの6か月のビル設備のコースでは、第二種電気工事士・二級ボイラー技士・乙4・消防設備士などの受験を目指せる例があります(受験は任意・合格の保証はなし)。
- 申込は住んでいる地域のハローワークです。選考があります。
2つの職業訓練の違い
| 項目 | 公共職業訓練(離職者訓練) | 求職者支援訓練 |
|---|---|---|
| 主な対象 | ハローワークで求職の申込をしていて、主に雇用保険(基本手当)を受けている人 | 主に雇用保険を受けられない人(受給が終わった人、加入していなかった人など) |
| 期間 | 最長2年(ポリテクセンターは標準6か月) | 2〜6か月(入校は毎月) |
| 受講料 | 原則無料(テキスト代などは自己負担。1年以上の一部の科目は有料) | 原則無料(テキスト代などは自己負担) |
| 訓練中のお金 | 基本手当に加えて、受講手当・通所手当(ハローワークの受講指示を受けた場合) | 要件を満たすと職業訓練受講給付金(月10万円+通所手当) |
- 主な対象
- 公共職業訓練(離職者訓練)ハローワークで求職の申込をしていて、主に雇用保険(基本手当)を受けている人
- 求職者支援訓練主に雇用保険を受けられない人(受給が終わった人、加入していなかった人など)
- 期間
- 公共職業訓練(離職者訓練)最長2年(ポリテクセンターは標準6か月)
- 求職者支援訓練2〜6か月(入校は毎月)
- 受講料
- 公共職業訓練(離職者訓練)原則無料(テキスト代などは自己負担。1年以上の一部の科目は有料)
- 求職者支援訓練原則無料(テキスト代などは自己負担)
- 訓練中のお金
- 公共職業訓練(離職者訓練)基本手当に加えて、受講手当・通所手当(ハローワークの受講指示を受けた場合)
- 求職者支援訓練要件を満たすと職業訓練受講給付金(月10万円+通所手当)
訓練中のお金
雇用保険の基本手当を受けている人
- 受講手当
- 日額500円(上限20,000円)
- 通所手当
- 月42,500円まで(通う方法による)
- 寄宿手当
- 月10,700円(家族と別居して寄宿する場合)
- 給付日数
- 受講の指示を受けた訓練では、所定給付日数が終わっても、訓練が終わる日まで基本手当が続く
- 給付制限
- 2025年4月1日以降に受講を始めた公共職業訓練などを受けると、自己都合で辞めたときの給付制限が解除される(申し出の期限あり・途中でやめた場合は対象外)
出典:ハローワーク「基本手当について」、厚生労働省 リーフレット「教育訓練等による給付制限解除」
雇用保険を受けられない人(求職者支援訓練の職業訓練受講給付金)
- 金額
- 月10万円(職業訓練受講手当)+通所手当(月42,500円まで)。寄宿手当は月10,700円
- 主な要件
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 今住んでいる所のほかに土地・建物を持っていない
- 訓練の全日に出席する(やむを得ない欠席を含めて8割以上)
- 同じ世帯で同時に受給している人がいない
- 過去3年以内に不正受給がない、過去6年以内にこの給付金を受けていない
- 通所手当だけ
- 本人収入が月12万円以下かつ世帯収入が月34万円以下などの場合は、通所手当だけを受けられる
申込から受講までの流れ
- 1ハローワークで相談住んでいる地域のハローワークで求職の申込をし、訓練を受けたいと相談します。
- 2コースを選ぶハロートレーニングの検索や、ポリテクセンター・都道府県の案内で、通えるコースを探します。
- 3受講の申込ハローワークで申込書を出します。コースごとに募集の締切があります。
- 4選考面接・筆記などの選考があります。希望者が多いと、要件を満たしていても受講できないことがあります。
- 5受講の開始合格すると、ハローワークから受講のあっせんを受けて、訓練が始まります。
近くのコースは、厚生労働省のハロートレーニングのコース検索や、全国のポリテクセンター一覧から探せます。
現場の資格を目指せるコースの例
ポリテクセンター(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構=JEEDの施設)の6か月のコースの例です。訓練中に受験を目指せる資格は、どれも任意受験で、合格は保証されません。受験に実務経験が必要な資格もあります。
| 項目 | ビル設備サービス科(千葉) | 電気設備技術科(加古川) |
|---|---|---|
| 期間 | 6か月(662時間) | 6か月(668時間)。導入講習つきは7か月 |
| 受講料・自己負担 | 受講料は無料。テキスト代は約13,000円 | 受講料は無料。テキスト代は約17,000円 |
| 受験を目指せる資格 | 第二種電気工事士・二級ボイラー技士・乙4・消防設備士(甲種・乙種4類)・第三種冷凍機械責任者 | 第一種・第二種電気工事士(電気関係の経験は不要) |
- 期間
- ビル設備サービス科(千葉)6か月(662時間)
- 電気設備技術科(加古川)6か月(668時間)。導入講習つきは7か月
- 受講料・自己負担
- ビル設備サービス科(千葉)受講料は無料。テキスト代は約13,000円
- 電気設備技術科(加古川)受講料は無料。テキスト代は約17,000円
出典:ポリテクセンター千葉「ビル設備サービス科」、ポリテクセンター兵庫(加古川)「電気設備技術科」
ほかに、電気設備技術科(宮崎ほか)や、溶接の特別教育などの修了証を受けられる溶接クラフト科(埼玉ほか)もあります。同じ名前の科でも、期間・時間・目指す資格はセンターごとに違うので、通えるセンターの案内で確かめてください。
出典:ポリテクセンター宮崎「電気設備技術科」、ポリテクセンター埼玉「溶接クラフト科」
都道府県の職業能力開発校(1年制の例)
都道府県の学校には、1年かけて電気工事を学ぶ科目があります。4月入校が多く、授業料がかかる場合や年齢の目安がある場合があり、上のポリテクセンターの6か月の訓練とは別の仕組みです。
- 埼玉県 電気工事科
- 1年・4月入校・定員30名。在校中に第二種電気工事士の取得を目指す
- 東京都 電気工事科
- 1年・4月入校・有料・おおむね30歳以下。経済産業省の養成施設で、修了すると第二種電気工事士の免状を受けられる
働きながら学ぶなら
ここまでの訓練は、仕事を探している人のためのものです。働きながらなら、ポリテクセンターの在職者向けの能力開発セミナー(有料・数日間。福岡の例は受講料8,000〜32,000円・2〜4日間)があります。通信講座を使う場合は、条件を満たすと講座代の一部が戻る教育訓練給付金も確かめてください。
ほかの進み方も比べる
- 寮つきで働きながら受験の準備をする:期間工の条件と満了日
- 講座代の一部が戻る制度:教育訓練給付金で講座代を安くする
- どの資格を受けられるか:3問で、受けられる資格を探す・年間の試験日カレンダー
よくある質問
- Q. 職業訓練は本当に無料ですか?
- 公共職業訓練(離職者訓練)と求職者支援訓練は、受講料が原則無料です。テキスト代などは自己負担です(例:ポリテクセンター千葉のビル設備サービス科は約13,000円)。都道府県の1年以上の科目には、授業料がかかるものがあります。
- Q. お金をもらいながら通えますか?
- 雇用保険の基本手当を受けている人が、ハローワークの受講指示を受けて公共職業訓練を受けると、基本手当に加えて受講手当(日額500円・上限20,000円)や通所手当(月42,500円まで)が出ます。雇用保険を受けられない人は、本人収入が月8万円以下などの要件を満たせば、求職者支援訓練の受講中に職業訓練受講給付金(月10万円)を受けられます。
- Q. 働きながら受けられますか?
- ここで紹介した離職者向けの訓練は、ハローワークで求職の申込をしている人が対象です。働きながら学ぶ場合は、ポリテクセンターの在職者向けセミナー(有料・数日間)や、講座代の一部が戻る教育訓練給付金を使う方法があります。
- Q. 訓練を受ければ資格が取れますか?
- 訓練の中で国家試験の受験を目指すコースはありますが、受験は任意で、合格は保証されません(ポリテクセンターの案内)。東京都の電気工事科のように、経済産業省の養成施設として修了すると第二種電気工事士の免状を受けられる科目もあります。
- Q. 希望すれば必ず受講できますか?
- 選考があります。ポリテクセンターの案内では、受講希望者が多い場合は、受講要件を満たしていても受講できないことがあるとされています。
