
コラム|よくある不安に、公式データで答える
乙4は取っても意味ない? 法律が求める場面を確かめる
公開・データの確認日:2026年10月19日/文:手に職ガイド編集部
結論:意味があるかは「危険物を扱う職場か」で決まります
- 消防法では、資格のない人は、甲種か乙種の危険物取扱者の立会いがなければ危険物を取り扱えません(第13条第3項)。
- 危険物を扱う施設は全国に375,574か所あります(2025年3月31日現在、消防庁)。ガソリンスタンドや工場のタンクなどです。
- 受験資格はなく、誰でも受けられます。合格率は31.9%(令和7年度)。
- 一方で、資格だけで給料が決まるわけではありません。関連する職業の平均年収は20代後半463万円、40代後半640万円です(厚生労働省の統計。資格を持つ人だけの数字ではありません)。
法律が乙4の人を必要とする場面
- 取扱いと立会い
- 危険物取扱者以外の人は、甲種か乙種の危険物取扱者が立ち会わなければ危険物を取り扱えない(消防法 第13条第3項)。乙4はガソリン・灯油・軽油などの第4類
- 危険物保安監督者
- 政令で決められた製造所・貯蔵所・取扱所では、甲種か乙種で実務6か月以上の人から選任する(第13条第1項)。施設によっては選任が要らない(危険物の規制に関する政令 第31条の2)
- 保安講習
- 製造所等で取扱作業をしている危険物取扱者は、原則3年以内ごとに受講する(第13条の23、規則 第58条の14)
出典:消防法 第13条・第13条の23(e-Gov)、危険物の規制に関する政令(e-Gov)、危険物の規制に関する規則(e-Gov)
この「資格者でなければできない」部分を独占業務その資格を持っている人だけが行える業務のことです。用語集で詳しく、責任者として届け出る役目を選任会社が、法律で決められた役割の担当者を正式に決めることです。用語集で詳しくといいます。乙4が「意味ない」と言われるのは、危険物を扱わない職場では、この場面がないためです。
危険物を扱う施設はどれくらいある?
消防法の許可を受けた危険物施設(給油取扱所=ガソリンスタンド、地下タンク貯蔵所など)は、全国で375,574か所です(2025年3月31日現在)。
試験の受けやすさ(消防試験研究センター)
- 受験資格
- なし。乙種・丙種は誰でも受験できる
- 試験
- 法令15問・物理学及び化学10問・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法10問の計35問、2時間
- 合格基準
- 3科目それぞれで60%以上
- 受験手数料
- 5,300円(非課税。令和6年5月からの額。受験するときは最新の案内を確認)
- 合格率
- 31.9%(令和7年度・受験者222,545人中71,059人)
出典:消防試験研究センター「受験資格」、同「試験科目」、同「合格基準」、同「受験手数料」、同「令和7年度 試験実施状況」
都道府県ごとに年に何回も試験があります。近い日程は乙4の試験日程で探せます。
年代別の平均年収(化学製品製造従事者)
乙4を活かす職業はガソリンスタンド・化学工場・物流などに分かれ、統計の職業区分とは一致しません。ここでは、このサイトで乙4に対応させている「化学製品製造従事者」の数字を載せます。
- 〜19歳308万円
- 20〜24歳409万円
- 25〜29歳463万円
- 30〜34歳527万円
- 35〜39歳579万円
- 40〜44歳585万円
- 45〜49歳640万円
- 50〜54歳634万円
- 55〜59歳637万円
- 60〜64歳475万円
- 65〜69歳380万円
- 70歳〜433万円
出典:令和7年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)。一般労働者・企業規模10人以上・産業計・男女計。賃金は令和7年6月分、賞与は令和6年の1年分。資格を持つ人だけの年収ではなく、その職業で働く人の平均です。
取ったあとに活かすには
免状の申請や保安講習は乙4に合格したらやることにまとめています。
ビルの設備管理(ビルメン)では、乙4は電気工事士・ボイラー技士などと組み合わせて求められることがあります(ビルメン4点セット)。ほかの資格と比べたいときは現場の国家資格の比較表へ。
短い期間で合格を目指すなら
3科目の対策を、働きながら進めたい人向けの講座です。
よくある質問
- Q. 乙4は誰でも受けられますか?
- 受けられます。危険物取扱者の乙種と丙種は受験資格がなく、誰でも受験できます(消防試験研究センター)。
- Q. 乙4を持っていると、法律上何ができますか?
- ガソリン・灯油・軽油などの第4類の危険物を取り扱えるほか、資格のない人が取り扱うときに立ち会うことができます。消防法では、危険物取扱者以外の人は、甲種か乙種の危険物取扱者が立ち会わなければ危険物を取り扱えないとされています(第13条第3項)。
- Q. 危険物保安監督者になるには何が必要ですか?
- 甲種か乙種の危険物取扱者で、製造所等での実務経験が6か月以上必要です(消防法 第13条第1項)。選任が必要な施設は政令で決まっていて、一部の施設では選任が要りません。
- Q. 乙4の合格率はどのくらいですか?
- 令和7年度は、受験者222,545人のうち71,059人が合格し、合格率は31.9%でした(消防試験研究センター)。法令・物理化学・性質消火の3科目それぞれで60%以上が合格の条件です。
- Q. 免状を取ったあとも講習はありますか?
- 製造所等で危険物の取扱作業をしている危険物取扱者は、決められた時期に保安講習を受ける必要があります。原則として3年以内ごとです(消防法 第13条の23、危険物の規制に関する規則 第58条の14)。
